土曜日の夜8時、南カリフォルニア、サンディエゴにある噂のデザートショップに出かけました。店内に入ると50人くらいの人達が長い列を作って待っていました。140席ものテーブルは満席。デザートを食べるのに「1時間待ち」と言われたのは、私の14年の米国生活で初めての経験です。この大人気のデザート店、その名前も「Extraordinary desserts」(並はずれたデザート)。創造的で夢がひろがる多種類のケーキは、まるで花の美術品のようにショーケースに並んでいます。まさにここは“デザートワンダーランド”。もう「アメリカのケーキはまずい」なんて言わせません。
私は、実は4年前にも同じ店の1号店に行っています。その時は深夜でしたが、やはり同じように長い列ができていてびっくりしたのを覚えています。そしてこの度、アップグレードされたダウンタウンの2号店に出かけました。4年間でデザートの質もお店の造りも洗練され、更にお客さんも増えていました。アメリカンケーキの中でトップクラスの評価を得ています。
歴史をたどると、同店は1988年にわずか10席の小さな店舗からスタートしました。オーナーパティシエのKaran Krasneさんは、フランス、コルドンブルーでパティシエの資格を得ましたが、彼女の“並外れた”創造性は、世界を旅しながら学んだといいます。彼女が目指すデザート店は、常にお客さんがワクワクする楽しいものを提供する事。オープンから23年間、少しずつ進化し、今ではサンディエゴを代表するデザート店です。カランさんは2003年、全米トップパティシエ10人(Forbes magazine)の一人に選ばれ、お店は15年連続でサンディエゴのトップデザート店(San Diego Magazine)に選ばれています。
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