名カフェ“ドゥ・マゴ”や“フロール”、“ラデュレ”があるボナパルト通りもすぐそばという立地に、ブランジェリー・パティスリーの“ジョセフィーヌ・ベーカリー”が、8月下旬にオープンしました。シェフは、パリの星付きレストラン“エレーヌ・ダローズ”でシェフ・パティシエの経験があり、ボン・マルシェの食品館のシェフ・パティシエとして長年活躍して来たブノワ・カステルさん。
ボン・マルシェでは、世界中あちこちからやってくる多くのお客様を対象に、マーケティングをしっかりと考えた菓子作り体制をチームで創り上げていましたが、そんな経験を活かして、より自分の思いを伝えることのできる小さな店を切り盛りしてみたいと、今年の夏に独立。長年の知己であり、同じブルターニュ地方出身の“ジョセフィーヌ”のオーナー、コルベールさんと共同経営という形で、この“ジョセフィーヌ・ベーカリー”を運営することになりました。
テーマは、Charme(チャーミング)のあるクラシック。誰もが知る伝統菓子である、ミルフィーユやタルト、焼き菓子などを、食べる人のことをより考えた視点から構成し、新しい美味しさの魅力を付け加えて提案しています。ガラス蓋つきの、背丈のある器に飾ったプレゼンテーションも、店を象徴するようなチャーミングなインテリアになっています。
普通は、生地を水平にして重ねるミルフィーユ。この店ではそれを立てた形で提供しています。こうすると、水平に重ねたものよりも、フォークがすっと刺さりやすく、食べやすいという、食べる人に取って嬉しい気の利いたアイディア。フィユタージュ生地はキャラメリゼするまでしっかりと焼いているのでさくさく。卵たっぷり、バニラビーンズたっぷりのクリームといっしょに、ぐっとリッチでグルマンな味わいです。
シューケット(小さなシュー)も、ついつい手が出るお味です。ぱりっと焼き上がった表面に散らされたカリカリした風味の濃い香ばしい砂糖は、メープル味という驚き!そして中はふんわりのコントラストがたまらなく、ちょっとしたおやつに最適なのです。
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