tend Editorial Team

2011.04.15(Fri)

新たなチョコレートワールドを提案 「アン・ディマンシュ・ド・パリ」

[caption align="alignleft" width="320"]オデオン駅そば。石畳のパッサージュに面したシックな店構え。 オデオン駅そば。石畳のパッサージュに面したシックな店構え。[/caption]

パリ6区オデオン駅そば。パリで最古のカフェ“プロコープ”もある石畳のパッサージュ(小路地)に、昨年11月チョコレートのコンセプトストアを謳う“アン・ディマンシュ・ド・パリ”がオープンしました。なんと800平米もある広大なスペースで、店の中には13世紀のパリの防塞壁の一部だったという塔が残っていて、壁の一部になっているというプレステージ。パッサージュに沿って建つ店の、その通り沿いは全面ガラス窓。内装はナチュラル、シンプルな装いで明るく、新旧が上手に織り混ざり、モダンな空間を作り上げています。

オーナーは、世界的に有名な大手チョコレート製造会社 “ミッシェル・クリュイゼル”の長男ピエール・クリュイゼルさん。父親のミッシェルさんが経営する同会社に25年間も務めて、マーケティングの責任者を担当していました。世界中40カ国を飛び回ってビジネスの達人となり、かたやカカオの産地も巡って、チョコレートの世界をずっと見続けてきました。


レポート パリ 11年4月

中央のオーナー、ピエール・クリュイゼルさんを囲んで。左はキャロリーヌさん、右はアートディレクターのシルヴィ・ヴァレットさんの、2人の共同経営者。

そうするうちに、チョコレートの総合的な世界観を伝えることのできる、今までになかったショップを作ってみたいと夢見るようになったそうです。その構想は、10年以上前から抱いていたということで、今は共同経営者となったキャロリーヌ・キャロン・ド・ラ・キャリエールさんと出会ったことで、実現の道がより開かれました。彼女は人材養成のプロで、コミュニケーション能力に長けた人。コンセプトだけでなく、優れた人材を選りすぐって、店を堅固にすることに成功したのです。


レポート パリ 11年4月

左はレストランスペース。13世紀の石造りの塔が印象的。右はブティックスペース。ナチュラルモダンな店作り。

2階建て、4つのスペースから成り立つ店舗。1階にはチョコレート、パティスリー、焼き菓子などを置くブティックスペースとレストラン、2階にはチョコレート・ラウンジ、教室やカンファレンスのためのキッチンスペースがあります。レストランで供する料理にはすべて、スパイスにカカオを使っていたり、またラウンジではチョコレート味のカクテルを、その人の好みや雰囲気に合わせて作ります。レストランのシェフは、3ツ星ギー・サヴォワグループに長年務めたウィリアム・コッシマンさん。ラウンジはアラン・デュカスに師事していたミカエル・カターヌさんが担当するという、贅沢さ。


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