神戸のメリケン波止場の南に位置する白亜の建物、神戸メリケンパークオリエンタルホテル。周囲270度を海に囲まれたリゾートホテルの3階ロビーフロアの西側にあるのが、「ラウンジ&ダイニング ピア」です。ゆったりとした空間には、くつろぎのテーブルや椅子が配されて、非日常を味わえる優雅な雰囲気が漂っています。
窓際の席からは対岸のハーバーランドが一望でき、朝から昼間にかけては青空と穏やかな海、黄昏時には夕焼けを、夜にはライトアップされたハーバーランドの観覧車などが眺められます。
そんな空間で、モーニングタイムからランチ、カフェ、ディナータイムまで、さまざまな料理と料理に合うドリンクを提案しているのが、シェフの丸岡修二さんです。
今回注目したのは、イートイン限定のデザートプレート。「2010年7月にホテルが15周年を迎えたんです。その時に、『お客様にうちらしさを堪能していただくメニューは何かな?』と考えた時、思いついたのがこのデザートプレートだったんです」と丸岡シェフ。「神戸らしいリゾートホテルで、気軽にリゾート気分を味わい、神戸らしく過ごしていただく……。それならば、神戸にとって外せないアイテムであるスイーツを、ぜひ楽しんでもらいたいと思って」。
プレートに載るのは、季節感溢れるフルーツをふんだんに使った、見た目も美しくゴージャスなデザート。どれもフランス料理のコースでサーブされるデザートのような華やかです。
いちおしのブランマンジェは、ごく少量のゼラチンで作られたブランマンジェやジュレが繊細で、ハッとするほど軽やかな味わい。コクのあるブランマンジェにライムのジュレの爽やかな酸味と香りが相まって、よりおいしく楽しめます。トッピングのピオーネは、旬素材をそのまま使用。今後は、イチジクなど季節ごとのおいしいフルーツをあしらう予定とのこと。
また、「デザート・ジュール(本日のデザート)」として出されているのは、旬のフルーツを使ったタルトやコンポート。「こちらは、実際にコース料理のデザートとしてもお出ししています」とシェフ。「イチジクのタルト」は、パリパリとした食感が軽やかなパート・フィロの中に、ジェノワーズとマスカルポーネチーズとヨーグルトをブレンドしたクレーム・パティシエールを入れています。兵庫県川西産のイチジクをトッピングした、全体的に軽やかでやさしい甘みの一品。添えられたフランボワーズのソルベの甘酸っぱさが、全体をキュッとまとめてくれて、後をひくおいしさです。
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