特に「デーツと煮りんごのルレ」は、『陰陽五行説」をベースに考えて作ったお菓子の集大成とも言えるお菓子。栄養価の高い果実であることから「生命の木」と呼ばれているデーツとりんごは「木」の気を持つ果樹、煮りんごに使用したレミーマルタン58°は「水」の気を持つお酒、これは、「生命の水」と呼ばれ、芳醇な香りが広がる希少なコニャックです。
生クリームは「土(山)の気を持つ牛から作られたもの、地元産の卵は「金」の気を持つ鶏から、そして「火」の気を持つ遠赤外線のガス窯直火の輻射熱で焼き上げることで、五行の含まれたバランスのいいお菓子が完成しました。卵のコクのあるふんわりとした生地に、奥行きのある甘みのデーツをすりつぶして作ったソースと生クリーム、巻く直前にレミーマルタン58°でソテーした煮りんごの馥郁とした香りのハーモニーは絶妙。このロール菓子を楽しみに、わざわざ訪れる人も少なくありません。
また、地元素材で作られたお菓子も人気。「赤穂にはこんなにおいしいお豆腐があるんだ!」と出会った赤穂とうふで作ったのは、「おとうふダンジュ」と「おとうふトースト」。「たまたま、このお豆腐の製造特許を開発された方がお客様だったのがご縁なんです。こんなにおいしい豆腐、みんなにも知ってほしい!……そんな思いが募り、ダンジュやトーストが出来上がりました」とシェフ。
国産大豆100%、昔ながらの本にがりだけで作られた濃度の高い「赤穂とうふ」は、そのまま食べてもまるでフロマージュ・ブランのような味と食感。お豆腐だけでつくったとは思えないふわりとエアリーでいてコクのある味わいのダンジュや、シェフが焼いた天然酵母の山型食パンと組み合わせたトーストは、素朴ながらしっかりと豆腐を感じる味わい。「このお豆腐をおいしく食べるために、パンには卵や油脂類は一切使わず、天然酵母の発酵による酵素が生みだす旨味でシンプルに」とシェフ。出会いは偶然、でもその素材を吟味し、考えて作るその行程が深いのです。
同様に、6月に完成したばかりの「野の滋かすていら」も、赤穂の隣町・上郡町で、栽培されている野草「カワラケツメイ」を使用しています。上郡で「円心茶」として親しまれているマメ科の一年草カワラケツメイは、奥深い渋さと香ばしさが特徴。日本古来の甘味素材・もち米飴を使ってしっとりきめ細やかな舌触りのカステラです。
カフェでは、そんなお菓子のほか、砂糖を使用せず、果物の甘みで作る自家製ミックスジュースや季節のネクターも人気です。
今後も、地元の人や素材との出会いを大切にし、お菓子を作り続けたいと話す渡部シェフ。 景色がよく、自然を感じられる赤穂御崎のパティスリーへ、ドライブがてら出かけてみませんか?
店舗詳細
住所:兵庫県赤穂市御崎2-1 伊和都比売神社前
電話:0791-42-5155
営業時間:10:00〜18:00
定休日:水曜(平日臨時休業あり)
席数:テーブル13席、カウンター2席
駐車場:5台
アクセス:電車=JR播州赤穂駅から、車で10分。車=山陽自動車道赤穂ICより約15分。
プロフィール
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