続く「第1の皿」は「バナナ・ラムレーズンのテリーヌ」です。脇に添えられたのはコショウ。これをやはりお好みの量、テリーヌに掛けて味わうという趣向です。甘みを控えめに作ったというテリーヌとコショウのスパイシーさが口の中で複合的かつ独特の変化をみせます。香り、風味の広がりのマリアージュもユニークです。
「第2の皿」は、2種類から選択できます。取材時は「2種のショコラ・ショーをお好きな食べ方で…」と「イチゴの温かいタルト ミルクソルベ」。今回は後者を選択しました。一見すると普通のイチゴのタルトに見えますが、実はこのイチゴ、オーダーが通るたびにシロップで煮込むのです。形は崩れていないけれど、ほのかに温かくナイフを入れるとすっと切れる状態のイチゴ。ピスタチオのダマンドのタルト生地と一緒に噛むと、初めての食感と味の広がり、またやはり未体験のフルーツとタルトの一体感を味わえる仕立てになっているのです。
このあとに数種類の小菓子が載った皿とお茶が付く2000円のアシェットデセール。風流な空間で作りたての緻密かつ広がりがあるデザートのコースを、ゆっくり堪能する。こうしてスイーツと優雅に向き合う時間がまた、何とも贅沢で心地よいのです。
店舗詳細
住所:京都市中京区堺町通錦小路上ル519-1
電話:075-468-8625
営業時間:11:00-19:00
定休日:水曜、月一回火曜か木曜
アクセス:地下鉄四条駅・阪急烏丸駅から徒歩8分
プロフィール
フリーランスのフードライター&エディターとして、食雑誌を中心に活動中。
スイーツでは、コンビニやスーパーに並ぶ一般流通菓子から、カフェ・気鋭のパティスリーまで、話題の新作は欠かさずチェック。
ショコラをこよなく愛する。神戸市在住。
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