De Foyer (デ・フォイヤー)
3軒目は、誰もが絶賛する素晴らしいインテリアの「De Foyer (デ・フォイヤー)」。ベルギーの建築家ピエール・ブルーノ・ブーラによって1827年から1834年の間に建てられたブーラ劇場の中にある、クラシカルで格調高いカフェです。ここは以前、「リモナディエ・ドゥ・テアトロ」という観劇の前や休憩中に人々が飲み物を楽しむ場所として使用されていました。 1970年代後半に劇場が他の場所に移され、10年ほど放置されていた元のブーラ劇場は取り壊し計画もあったようですが、市長や市民が反対し、後にレストラン業を営んでいたユージーン・ハルザーツ氏が引き継ぎました。現在は2代目のカトリン・ハルザーツ氏が運営を担っています。 現在では子ども向けの劇がよく上演されていて、観劇帰りの客が立ち寄ることも。休演時期(通常6月半ば〜9月半ば)はウェディングレセプションの場所として人気。ドーム型天井のステンドグラス、明るいパステルカラーを用いたフレスコ画、ヴェルヴェットのカーテン、細部にわたって豪華な装飾、いくつものシャンデリアに照らされた店内は、まるで中世にタイムトリップしたような場所。美術館と言われてもおかしくないような場所です。 こんな歴史的建物内のゆったりとしたカフェで、コーヒーが一杯2.8ユーロから注文できるのはなんとも贅沢。
カフェの中央のショーケースの中にはケーキが並びます。タルトタタンやチョコレートケーキなどクラシックなものから、ラズベリーチーズケーキやピスタチオとチェリーのヨーグルトムースなどフルーツを使ったケーキなど約10種類のケーキが常備。もともとが観劇客専用のバーだったというだけあって、ドリンクメニューも充実しています。 通常のカフェ営業に加えて、日曜のサンデーブランチ(11時〜13時)では、ベーコン、卵、温野菜、そしてチョコレートムースやライスプディング、ベイクドアップルなどホームメイドスイーツのビュッフェも行っていて人気があるそうです。 お目当てのショコラティエに足を運ぶのも良いですが、こうした重厚感のある建物内で味わうコーヒーやスイーツはまた格別。アントワープの素敵なカフェ巡り、大変おすすめです。
店鋪情報
プロフィール
東京のPR代理店で5年勤務後、2011年5月にオランダ・アムステルダム郊外に渡欧。オランダ文化、語学を学びながら主に食関係のライター、フリーランスPRに従事。