デュモンとは対照的に、ブルージュ旧市街の中心から少しだけ離れた、人通りも少なく静かな場所に構えるのがChocolaterie Spegelaere(ショコラティエ・スペゲラエール)。こちらも家族経営で、店舗はこの一店のみ。1954年の創業このショコラティエは、ブルージュで最も古いチョコレートショップだそうです。
客の90%が地元客で、50〜55種類のプラリネ、15種類のトリュフ、チョコレート以外にもビスケットやマジパンなどバラエティ豊かなスイーツを奥のアトリエで作っています。
こちらの看板商品は「グレープ」。見た目は名前の通りぶどうの形をしていますが、これはヘーゼルナッツクリームが入ったマジパンにチョコレートをコーティングしたもの。昔は病院に入院している人を訪ねるときぶどうを持って行く習慣があったそうで、そのぶどうをスイーツに見立ててできた商品です。
今でもこの甘い「グレープ」はお見舞い用に、またギフトとして買って行く人が多いといいます。観光客向けにアピールするショップが溢れる中、地元客を大切にしているお店です。
土産物店やチョコレートショップが溢れるカテレイヌストラートから細い路地に入ると、隠れ家的なショコラトリーTsjokoreeto(チョコレート)があります。素朴で控えめな内装や手書きのプライスタグがアットホームな店内には、家族のみで地道に手作りしているチョコレートがショーウィンドウに並びます。
ここの自慢は手作り感たっぷりのごつごつしたトリュフ。またアスパラガスやマッシュルーム、てんとう虫などをかたどった可愛らしいチョコレートも。すべてのチョコレートが1キロ24ユーロで販売されており、これはブリュッセルの大手ショコラトリーと比べると半額近い値段。それでも決して材料に妥協するのではなく、宣伝や過剰包装もせず、毎日朝から晩までチョコレートをせっせと作り続けるからこそ手頃な金額での提供が可能とのことでした。口コミで人気が出た知る人ぞ知るお店で、以前は地元客ばかりでしたが、一昨年日本のテレビ番組で紹介されて以来、日本人の買い物客も増えたそうです。
たくさんのチョコレートショップがあるブルージュ、どこのお店で買ったら良いか迷ってしまう人もたくさん居ることでしょう。
この町を訪ねる多くの人々は街歩きを楽しみながらいろいろなお店を周り、あちこちテイスティングをしながら自分に合ったお気に入りの一軒を見つけます。おとぎ話のような街ブルージュでのチョコレート探しは、魅力溢れる甘美な体験です。
店舗情報
住所 : 6, Eiermarkt 8000 Brugge
営業時間 : 10:00〜18:00
電話番号 : +32 50 34 62 82
Webサイト : http://www.chocolatierdumon.be/
住所 : 92, Ezelstraat 8000 Brugge
営業時間 : 8:30〜12:00、13:00〜18:30(火曜〜土曜)、9:00〜13:00(日曜)
電話番号 : +32 50 33 60 52
住所 : Stoofstraat 4, 8000 Brugge
営業時間 : 10:00〜18:00
電話番号 : +32 50 34 25 56
プロフィール
東京のPR代理店で5年勤務後、2011年5月にオランダ・アムステルダム郊外に渡欧。オランダ文化、語学を学びながら主に食関係のライター、フリーランスPRに従事。
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