ショコラティエの激戦区でもあるベルギー、アントワープ。多くのショコラティエが海外へ意欲的に進出する中、ここアントワープ1店舗のみで確実に固定客を掴み、その名を馳せているのがショコラティエ グンター・ワッテ氏の「グンター・ワッテ」。洗練されたスタイルとクオリティの高さで、地元を中心に高い評価を得ています。
ショコラトリーとサロンが一緒になった店舗がひっそりとあるのは、アントワープにある世界遺産のプランタン=モレトウス博物館のそば。堅実な外観と対照的に、店内はきらびやかな高級感があります。入ってすぐ右手には、ゴージャスなシャンデリアの下に艶々としたプラリネとケーキがショーケースに並び、それぞれ名前と味が写真付きで表示されています。
バリーカレボー社の高級カカオを使ったショコラには、仏像や薔薇などのユニークな形のものもあり、値段も300g当たり14ユーロ〜とリーズナブル。向かいの壁側にはオランジェやカカオのパーセンテージ別のタブレットなどもあります。奥は席数26席のサロン。女王様が座るような大きな椅子が置かれ、ゴールドのウオールペーパーが落ち着いた雰囲気を醸し出しています。サロンの奥は、グンター・ワッテ氏のアトリエになっています。
チョコレートのみならず、このサロンで提供するコーヒーや紅茶にも大変こだわっているグンター氏。カウンターの後ろには、存在感のある大きなケースにストックされたコーヒー豆とティー。イタリア製の特別なコーヒーマシーンでローストされたばかりのフレッシュなアロマを放つコーヒーは、ケニアやコロンビアなど定番から、ハワイ、マイソール(インド)、ニカラグアなど世界各地のコーヒー豆が揃えられており、その数22種類。また紅茶も20種の中から選ぶことができます。
人気のメニューは「Sweet Afternoon Koffie(甘い午後のコーヒー)」(5.5ユーロ)。自家焙煎ブレンドのコーヒーに、プラリネ2種とビスケット2種が銀製トレイに載ったセットです。コーヒーとちょっと甘いものが食べたいときにちょうど良い量。フィリングの詰まったプラリネは、噛んだ瞬間に溶けてチョコレートとともに口の中で絡まり、風味が口いっぱいに広がります。まろやかで香ばしい本格コーヒーもまさに相性抜群。また、単品でコーヒーを頼んでも、ひとつプラリネが添えられます。
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