アントワープの中心地からほど近い、ファッションデザイナーの店が連なるナショナルストラートとフォルクストラートの間にあるサロン・ド・テ・クロード。小さくて個性的、ずっと居たくなるような雰囲気のティーサロンが、アントワープの地元客の間で評判です。まるで違う世界にタイムトラベルしたような愛らしいインテリアと、異文化を取り入れたスイーツメニューが客を魅了し、時には予約をしなければ満席で入れないほど人気を得ています。
サロン・ド・テ・クロードに来て誰もが注目するのが、そのロマンティックな内装。もともとは住宅だった場所を改装したサロンは、優雅なオペラの流れるニ間続きの空間になっています。手前の部屋はフローリングに赤いストライプのカーテン、シャンデリアの組み合わせ。そして奥の部屋は古いタイルのフローリングにシュガーピンクの壁、花や蝶々のウオ−ルペーパー、猫足のソファにピンクのヴェルヴェットのクッション、ゴールドのライトスタンドとどこまでもユニークです。
インテリアデザインはアントワープのデザイナー、ジョフロイ ヴァン フール氏によるもの。そしてインテリア家具は、サロンのオーナーのクロード氏がイタリアやスウェーデン、フランスなどいろいろな国を旅して収集したお気に入りの品々だといいます。すべての家具やランプは”For Sale(販売可能)”なので、お気に入りの一品があれば交渉して買うこともできるという面白いスタイル。
「貴族の社交として19世紀に始まった、英国式のアフタヌーンティーの習慣が気に入っている」というクロード氏は、この伝統を地元ベルギーの人たちにも知ってもらい、そして楽しんでもらいたいという想いからこのティーサロンを始めました。サーモンサンドウィッチ、スコーンやビスケット、そしてタルトなどのスイーツが品よくティースタンドに飾られたアフタヌーンティーセットは1人30ユーロで提供されています。
アフタヌーンティーセットについてくるプレートに並べられた6種類の色とりどりのマカロンは2日ごとにフランスから輸入されています。またソフトドリンクだけではなく、スペインのカバもグラスでオーダーができ、こちらはカップルで来る男性客にうけているそうです。形式にとらわれず、他のヨーロッパ諸国で親しまれているスイーツやドリンクをメニューに取り入れ、好きなものを食べながらゆったりとくつろいでもらいたいとクロード氏は語ります。
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