まずレジスは、パティスリーに興味を持って、パティシエのCAP(職業証明書)を獲得する勉強を始めました。そして、ライブラリー付きのサロン・ド・テを作ったらいいのではないかとダミアンが提案。ダミアンは、ライブラリーを経営するのに必要な勉強をすることのできる、国家学士院にて研修をすることに。こうして夢の実現に近づくうち、レジスがパリ郊外にある名店ステファン・グラシエで仕事をしているときにイネスに出会い、意気投合。3人で店作りに挑むことになったのでした。 店はホワイトの壁を基調にして、青や黄色などのカラーアクセントも効いています。奥がライブラリーコーナーで、ダミアンが選んだ本が並んでいます。本棚のあるスペースは、ゆったりとした空間を演出してくれるから不思議です。
ショーケースにはパティスリーが常に8種ほど用意されています。旬の素材からインスピレーションを得たフレッシュなパティスリーばかりで、一見シンプルに見えますが、1つ1つとても繊細な創意が凝らされていて軽やかな仕上がり。レジスもイネスも、「ステファン・グラシエ」の他「デ・ガトー・エ・デュ・パン」「セバスチャン・ゴダール」などベースのしっかりした店で経験を積んでいたからこそ、説得力ある仕上がりとなっているのも魅力です。
こちらのお店のスペシャリテは『ドラガト』。ドラジェとガトーの造語で、ドラジェをベースにしたパティスリーです。ドラジェ風味のムースの中に、爽やかな洋梨のクーリ、ドラジェのカリカリとしたストリュッゼル、アーモンド生地を閉じ込めています。アーモンドと洋梨という洗練された組み合わせは秀逸でしょう。 また、店一番の人気のパティスリーは『タルトキャラメル』。キャラメルムースの中に、チョコレートのフォンダンビスキュイを隠しているという驚き!上品な味わいの組み合わせです。クラシック&シンプルに見えるのに、常にパティスリーの中にこうしたサプライズがあるのが、この店のパティスリーの魅力といってもいいでしょう。
『チーズケーキ』は、チーズクリームのムースのなかにスペキュロスのビスキュイとイチゴ&ルバーブのクーリが隠されていましたし、『イチゴのタルト』ではイチゴの下に敷き詰めたクリームはパッションフルーツ風味でした。『レモンタルト』では、イタリアンメレンゲの下に、手作りのレモンコンフィをしのばせています。さらに、そのレモンコンフィはジャムの瓶に詰めて販売もしています。同じく瓶詰めのプラリネのチョコレートペーストも手作りならではのおいしさが。 また、ミニクグロフなどのオリジナルヴィエノワズリーを季節のサラダなどともに添えた、色鮮やかな週末のブランチもおすすめです。週末はたくさんの家族連れで賑わっています。
店鋪情報
住所: 17 rue de Maubeuge 75009 Paris
電話: 09.81.76.17.74
営業時間:12:00〜19:30(火〜金)、11:30〜19:30(土)、11:30〜18:00(日)
http://www.unesourisetdeshommes.fr