そんなバラヌさん、「グラン・ヴェフール」や「ルドワイヤン」などフランスの名だたる高級レストランで13年経験を積んできたクリストフ・ブシェさんと出会って、デザートのみのレストランを作ったみたいと思い描きます。皿盛りデザートを中心に、そしてそれに合うワインやリキュールなどのドリンクを出すレストン。そして、トレンドに敏感なパリジャンが集まるマレ地区に、オープンキッチンとカウンターのある広い空間をオープンしたのです。 一皿19ユーロのデザートの他、お任せでデザートが出てくるコースメニューも人気です。1人分だけの場合は36ユーロ、2人でシェアする場合は44ユーロで、それらすべてに飲み物を合わせる場合は1人16ユーロと、まるでレストランのようなメニュー構成が新しく、中二階もある大きな店鋪にもかかわらず、週末は満員御礼で賑わっていました。 メニューの内容は、季節の素材によって変わるというのもレストランらしいあり方です。今回は、2014年2月に足を運んだ時点の2人分のお任せコースを紹介します。
全部で6品の構成で、まずサービスされたのは、マーシュ・サラダの冷製クリームスープ。ワサビが少々効いていて、ヨーグルトのソルベ、ヘーゼルナッツを散らしています。レストランで言う、突き出しのようなものでしょうか。フレッシュ感が溢れています。 そして、2皿目は梨のデザート。チャービルの芋のピュレに、洋梨のコンポートなどを添えていました。 3皿目は、オープン以来のスペシャリテとなっている、ビーツとホワイトチョコレートのシャンティイを組み合わせたデザート。こちらには、自信をもって、野生のベリー系の味わいが特徴的なラングドック地方の赤ワイン『Les Carlines』を合わせていました。赤や黄色のビーツのチップ、ビーツの葉も使っていて、さまざまなバリエーションがあるビーツの旨味のニュアンスにぴったりでした。
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