tend Editorial Team

2013.11.06(Wed)

【後編】2013 サロン・デュ・ショコラ パリ 速報レポート

コンフィズリーコーナー

会場1階はコンフィズリーフロア。パン・デピスやヌガーなどが溢れていましたが、フランスの名産コンフィズリーコーナーは愛らしい展示で多くの人の目を引いていました。ナントの飴『リゴロット』、リヨンのマジパン『クッサン』、ナンシーの『ベルガモットキャンディー』、『ドラジェ』、『キャラメル』…フランスでも日本でも、こんな博物館があったら楽しいだろうと思いました。

ル ショコラ ドゥ アッシュ(辻口博啓シェフ)

今年初出展のうち、最も注目を浴びたのが「ル ショコラ ドゥ アッシュ」の辻口博啓シェフでした。C.C.C.のコンクールでは「5タブレット+★(エトワール)」という最高位の賞をジャン=ポール・エヴァン氏らとともに獲得し、フランスでもその情熱の強さと追求心の深さを認められたのでした。 今回辻口シェフはでナノ化という新しいチョコレートの作り方に挑戦しました。カカオニブ(カカオ豆をローストし荒く粉砕したもの)を最先端の技術で極限の小ささまで粉砕しナノ化した、新たなショコラ原料を生み出したのです。
クーベルチュールでもカカオパウダーでもなく、でもその中にはチョコレートのすべてが含まれている、という全く新しい考え方と技術で作られたチョコレート。「チョコレートの味わいを強く引き出したい」、そうした思いから、たどり着いた技術とのことです。 そのナノ化したカカオニブをクーベルチュールチョコレートに加えるだけで、チョコレートの香りが目覚める。それは、まるで料理の出汁や旨味のように効果的だ、と辻口シェフ。ベネズエラ産チョコレートに、ナノ化したカカオニブを加えた『ナノ・ノワール』、ヴァローナのミルクチョコレート「ジヴァラ」に山椒を焙煎したガナッシュとナノ化したカカオニブを加えた『山椒』など5つのフレーバーは、いずれも新しい世界を切り開く味わいでした。

イベント情報

サロン・デュ・ショコラ 2013 / Le Salon du Chocolat 2013
期間: 2013年10月30日(水)〜11月3日(日)10:00〜19:00
場所: ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ見本市会場 / Parc des Exposition de la Porte de Versailles
Web: http://www.salonduchocolat.fr

プロフィール

伊藤文(いとうあや):料理ジャーナリスト 1993年渡仏。コルドンブルー料理学校パリ校卒業後、フランスの食文化を掘り下げる取材を重ねる。 著書に『フランスお菓子おみやげ旅行』、訳書に『招客必携』、『ロブション自伝』など多数。

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