毎年、日にちが変わるイースター(復活祭)ですがイースターホリデーの始めの金曜日はフィンランドでは「ピットキャペルヤンタイ」と呼ばれ直訳すると長い金曜日という意味になります。 この日にイエス・キリストが十字架に架けられ3日後に死から復活した事をお祝いするのがイースターです。毎年、金曜日から月曜日までの4日間がイースターホリデーです。今年は4月3日~6日までとなります。フィンランドではどんな風にイースターを迎え、お祝いするのかご紹介したいと思います。
■ イースターの1週間前の日曜日は可愛い魔女が訪ねてきます。
イースターの1週間前の日曜日は「パルムスンヌンタイ」と言われています。この日、子ども達はかわいらしい魔女に変身して家々を巡ります。この週間は「ヴィルポミネン」と言って魔女達は健康や幸福の呪文を家主に唱え、ご褒美にチョコレートやキャンディーなどのお菓子、硬貨などがもらえるのです。
呪文に必要となるのがカラフルな羽やリボンなどで飾られた猫柳の枝です。働き者の魔女達はパルムスンヌンタイに合わせてホワホワと柔らかい顔を出した猫柳を森から取って来ます。カラフルな羽には細い針金が付いているのでクルクルと枝に巻きつけていけば猫柳の枝もアッと言う間に豪華になります。幼稚園や小学校、家庭でも作られているフィンランドのイースターには欠かせない飾りの1つです。材料はイースターが近くなるとスーパーでも手頃に購入できるのです。
魔女=黒とは真逆のイメージで、エプロンを巻きつけてスカーフで頭を覆って春らしいカラフルな装いの魔女達。頬は赤く、そばかすも大きく目立つように描いて……とってもかわいらしい魔女です。片方の手にはたくさんの猫柳の枝、もう片方の手には、ご褒美を入れるための、やかんやカゴを持ちます。この日は魔女達も家主にとっても、ちょっぴりソワソワワクワクな日なのです。
■ 様々なイースターの飾り
卵の上と下に針で小さな穴を開け上の穴から口で空気を吹き込み下の穴から卵の中身を出します。空っぽになった卵は中を綺麗に洗ってから色水に浸したり、絵付けをし飾ります。他にも小さなプランターに芝の種を植え青々した芝を育てる週間もあります。芽が出て緑が生えてくるのを子供どもは目を輝かせながら観察します。芝には小さなひよこの飾りを飾って楽しみます。
春を待つ・迎える意味からも、チューリップや水仙を室内に飾る習慣もあります。
■ お祝い料理は子羊のお肉に黒いデザート、マンミ
イースターのお祝い料理として子羊の肉を食べる習慣があります。特別に固定された料理はないのですが、オーブン料理が盛んな国ですので、じっくりとオーブンで焼きあげた子羊のお肉料理や、煮込み料理など人気なようです。
デザートとしてマンミという黒くて柔らかいユニークな食べ物があります。一見チョコレートケーキのような感じですが、ライモルトやライ麦粉ベースでダークシロップやオレンジピールなどが入っています。お皿に入れ牛乳をかけグラニュー糖をまぶして食べます。腹持ちの良い食べ物なので食べ過ぎは禁物です!現在では、家庭で作ると言うよりはお店で販売されているのを購入し食べるのが主流のようです。昔は、仕込みをして、白樺の樹皮で作った入れ物に入れオーブンで焼いていたそうです。
■ おわりに
各国でお祝いをされているイースターですが、子どもから大人まで楽しめるフィンランドのユニークなお祝いの仕方を楽しめて頂けたでしょうか。皆様も良い春をお過ごし下さい。Hyvää pääsiäistä! ハッピーイースター!