12月から1月にかけては、忘年会にクリスマス、新年会、家族の年末年始のパーティーなど、お酒を飲む機会が多くあります。また、帰省をするファミリーも多く、子育て家庭にとっても特に大忙しの時期でもあるので、強いカラダづくりを心掛けたいものですよね。
しっかりと栄養をとって、宴会・パーティー続きの時期につきものの、二日酔い対策も行っておきたいものです。
今回は、医師がおすすめするお酒を飲む機会の前後に摂るべきメニューをご紹介します。
■宴会前後の二日酔い対策になる食事メニュー6選
忙しい時期は料理の品数が減ってしまいがちですが、なんとか家族の健康を守るために、栄養をしっかり取り入れたいです。
お酒好きのパパ・ママは、宴会でお酒を飲んでしまって、二日酔いに悩まされることもあるかもしれませんね。
栄養管理のエキスパートである医師の谷口英喜先生によると、アルコールは肝臓で分解されることから、「二日酔いを予防・軽減するためには、宴会シーズンの朝食や昼食においても、肝臓の働きをサポートすることを意識した適切な栄養素を意識したメニューを取り入れることがおすすめ」と話します。
谷口先生のおすすめメニュー6つはこちら。
-
しじみ汁
しじみには、二日酔い症状の主な原因といわれている有害物質「アセトアルデヒド」の分解を促進し、肝臓の解毒を助けるタウリンという成分と、同じく肝臓の解毒を助けるオルチニンを含みます。またしじみに含まれる亜鉛や鉄などのミネラルが代謝をサポート。暖かい汁物は、消火器を温めるほか、脱水予防としての塩分や水分補給にもなる、まさに二日酔い対策といえるメニューです。ぜひ朝食などに一品追加しましょう。
タウリンは、牡蠣やイカ・タコ、鮭などの魚といった魚介類に多く含まれるため、この時期はタウリンを意識した献立を作るのもおすすめです。
-
豆腐とネギの味噌汁
味噌汁もおすすめ。具材には豆腐やネギを入れましょう。
豆腐のタンパク質は細胞の修復を助け、味噌のナトリウムは脱水症状を緩和します。
ネギのビタミンKは血液の正常な凝固を助け、血流を適切に保って入れます。
さらに、抗炎症効果があることから、飲酒後の血液循環の乱れを改善。頭痛などの二日酔い症状の回復を助けてくれます。
-
鮭の塩焼きと白ご飯
和食の定番メニューも、二日酔い対策になりますよ。鮭にはタウリンが含まれているのに加えて、タンパク質が代謝を促し、オメガ3脂肪酸が炎症を抑えます。
またビタミンDも含まれるため、アルコール摂取によって生じた体内の炎症を軽減。二日酔いの不快感を緩和してくれる可能性も。
また白ご飯からは炭水化物が摂取できますが、アルコール代謝で低下していた血糖値が速やかに回復し、頭痛や疲労感などの症状を和らげてくれる可能性があるそうですよ。
-
卵かけご飯
子どもも大好きな卵かけご飯を、ぜひパパ・ママも取り入れてみて。
卵に含まれるメチオニンは、強力な抗酸化物質であり、アセトアルデヒドの解毒をサポートするグルタチオンの生成を助けてくれます。
-
梅干しとおにぎり
梅干しに含まれる塩分は身体の水分バランスを整えてくれるほか、クエン酸は代謝を促進し、疲労物質である乳酸などの分解を助けてくれます。
だるさや倦怠感が軽減されるでしょう。
-
フルーツジュース、スムージー(オレンジ、キウイ、ほうれん草)
フレッシュなフルーツジュースやスムージーも取り入れましょう。ビタミンCの抗酸化作用が肝臓をサポートしてくれます。またキウイにはカリウムが含まれており、電解質バランスを整えます。ほうれん草に含まれる葉酸が肝臓での解毒機能を間接的にサポートするビタミンB群の一種として、アルコール分解や排出を促進する酵素の働きを助けてくれる可能性があるそうですよ。
忙しい今の時期にはしっかりと栄養を取り入れ、元気いっぱいに年を越しましょう。二日酔い対策メニューをご紹介したとはいえ、くれぐれもお酒は飲みすぎないようにしてくださいね。
【プロフィール】
谷口英喜先生
済生会横浜市東部病院 患者支援センター長、東京医療保健大学大学院医療保健学研究科客員教授 医学博士。
麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理のエキスパート。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。2024年5月に新刊『熱中症からいのちを守る』(評言社)が刊行。その他の著書『いのちを守る水分補給~熱中症・脱水症はこうして防ぐ』(評言社)など。