日本全国で地震が多発している昨今、自宅でも何らかの備えをしているのではないでしょうか。でも、意外と盲点になりがちなのが、エアコンのこと。実際に大地震や豪雨などで室外機が転倒したり、浸水してしまったらどうすればいいのでしょうか。今回は、エアコンの災害予防と災害後の対策についてご紹介します。ぜひ家族と共有して実践しましょう。
■エアコンに対する防災対策の現状は?
世間では、どのくらいエアコンに関する防災対策を行っているのでしょうか。
三菱電機 霧ヶ峰PR事務局が、全国の男女600名に対してエアコンのアンケート調査を実施したところ、地震や台風などで自分や身内、友人がエアコンのトラブルに見舞われたと答えた人は、21.3%でした。5人に1人はトラブルが起きる事実を知っているということです。
具体的には、「室外機が倒れた」「停電で、エアコンが停止したときの対処方法がわからず困った」「室内機から水が漏れた、可動パネルが閉じなくなった」などのトラブルが起きているそうでした。
ところが、エアコンの防災対策として何らかの工夫をしているかと尋ねたところ、「していない/エアコンの防災対策について考えたことがない」と56.8%の人が回答。半数を超えていました。
なぜエアコンの防災対策をしないのかと尋ねたところ、66.9%が「どんな対策をすればよいのかわからないから」と回答。
つまり対策を知らないから備えられない。けれどトラブルが起きることは知っている状況であることがわかりました。この結果を知ると、とにかくまずはエアコンの防災対策を知っておくことが先決といえそうですね。
■【災害が起きる前】エアコンの防災対策
まずは災害が起きる前の防災対策からいってみましょう。
エアコンのプロである三菱電機の空調冷熱システム事業部 久田優美さんのアドバイスのもとご紹介します。
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室内機の下には濡れたら困るものは置かない
室内機は地震が起きても基本的には落下する心配はありませんが、大地震の場合は傾きや振動によって、通常はドレンホースという外の室外機につながっているホースを通じて室外に排出されるはずの水が落ちてくることがあるそうです。予防策としては、室内機の下に濡れては困るようなものを置かないことが考えられます。
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室外機には転倒防止金具やカバーを取り付ける
室外機については、転倒防止のために金具を使って固定しておくと良いでしょう。専門業者に依頼すれば何らかの施工を行ってくれます。
雨風が心配なら、ホームセンターなどで売っている室外機カバーを取り付けましょう。しっかり固定して、カバー自体が強風で飛ばされることがないようにしてくださいね。
注意したいのが、カバーをつけたままエアコンを運転しないようにすること。室外機から排出される風をさえぎってしまうからです。故障の原因にもなるので、台風などがすぎさった後につけっぱなしだったことを忘れないようにしてください。
■【災害が起きた後】エアコンの対処方法
続いては、災害が起きた後のお話です。もしエアコン使用中に停電が起きたり、または室外機が転倒してしまったりしたらどうすればいいのか確認しておきましょう。
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エアコン使用中に停電したときは復旧を待つ
エアコンをつけている最中に、強風や地震などで停電が起きることがあります。そんなときは何もせず、そのままにして復旧を待つのが正解です。停電が復旧したら、エアコンと周囲の安全を確認した後、リモコンで運転操作をしましょう。
三菱電機のエアコンの一部機種では、リモコンで事前に「停電自動復帰機能」を設定することができるそうです。これは停電復旧後に自動で運転を再開する機能のこと。もしそのような機種が良いと考えるならお店やホームページで確認してみましょう。
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室外機が倒れたら絶対に自分では起こさない
地震や強風などで室外機が倒れてしまうこともあります。そんなときには、絶対に自分で起こさないのが鉄則! 販売店へ連絡・相談しましょう。室外機が倒れたままの状態でのエアコンの使用は避けてください。
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室外機が浸水したら室内機のコンセントを抜くかブレーカーを落とす
豪雨などで室外機が浸水していたら、室内機のコンセントを抜くか、ブレーカーを落とします。そして業者に連絡して対処してもらいましょう。漏電や火災につながる恐れがあるので、早めの対処を。
■まとめ
エアコンの災害対策、いかがでしたでしょうか。事前に備えておくのはもちろん、災害発生後も正しい対処が大事であることがわかりました。ぜひよく注意して行動して、家族の安全を守りましょう。