今年はインフルエンザ流行のニュースがよく聞かれるようになりましたが、家族がインフルエンザや風邪にかからないように、気を遣っているママも多いはず。手洗いやうがい、しっかり睡眠を取るなどのほか、食事の栄養面で工夫しているかもしれません。でも、免疫のためにはどんな栄養を摂ればいいのか、迷うこともあるでしょう。
そこで今回は、管理栄養士の先生直伝の、免疫に良い栄養素と食事術をご紹介します。
■免疫機能を正常に働かせる効果がわかっている成分がある!
管理栄養士で、東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 部長の濱裕宣先生によると、免疫機能を正常に働かせる効果がわかっている成分がいくつかあるのだそう。
免疫細胞は腸の中に多数存在しているので、腸内環境を整えることも考慮することが大切。腸内環境を整えるために有効な食物繊維や乳酸菌、免疫細胞の働き自体を調整してくれるビタミンやミネラルなどを意識的に摂取すると良いそうです。
さらに免疫力の向上をサポートする成分として、タウリン、たんぱく質、ポリフェノールなどがあるといいます。
けれど、同じ栄養素を摂るにしても、調理方法や食べ合わせの工夫により、より高い免疫効果を得られるそうなんです。
早速、教えてもらいましょう!
■免疫効果を得るための調理・食べ合わせ術
1.いつもの味噌汁に加えるだけ!「玉ねぎユーグレナ味噌汁」
いつもの玉ねぎを入れる味噌汁には、ユーグレナパウダーを入れると免疫対策になるのだそう。
ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持つ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んだ食品。
ユーグレナの継続的な摂取が、感冒症状(かぜ様症状)の発生および諸症状の重症化を抑制することがわかっているほか、ユーグレナの継続摂取により、主にユーグレナにしか含まれない成分で食物繊維の一種である「パラミロン」が、免疫バランスを保ちインフルエンザウイルス感染症状を緩和するなど、免疫が関わる諸症状を緩和する可能性も報告されているといいます。
ユーグレナはケルセチンという、玉ねぎやブロッコリーに含まれるポリフェノールとあわせるとより高い抗ウイルス効果が期待できるそうですよ。
2.タウリンを意識的に摂取!「いかのカレー炒め」
免疫を考えたときにおすすめの栄養素の一つがタウリンだといいます。
タウリンは、異物を見つけて即座に攻撃する自然免疫の役割を果たす好中球の殺菌作用を強化したり、異物を記憶して再び体内に異物が侵入した時に攻撃する免疫細胞であるT細胞の増殖や機能向上、B細胞を活性化させて抗体の産生を促すことで免疫バランスを向上してくれる働きがあることがわかっているそう。
タウリンが多く含まれるのは肉類、乳製品、魚介類で、特に牡蠣やしじみ、あさりなどの貝類やたこ、いかなどの軟体動物に多いそうです。ぜひ取り入れたいですね。
濱先生がおすすめしているのは、タウリンを多く含むいかのカレー炒め。カレーの香辛料・ターメリックに含まれるクルクミンという栄養素が肝機能を強化してくれ、解毒作用や食べ物の消化能力の維持に役立つそうですよ。
■栄養ドリンクも上手に取り入れよう
この冬は、家族の強い身体を作るために栄養をしっかりと摂取しましょう。料理をする暇があまり取れない、栄養をもっと意識的に摂取したいなら、栄養ドリンクに頼るのも一案です。
例えば、タウリンは大正製薬の「リポビタンD」で手軽に摂取できます。リポビタンDには、牡蠣に含まれるタウリンが1本につき1000mg入っているんですよ。ビタミンB群なども豊富に含まれているので、元気になりそう。体力、身体抵抗力または集中力の維持・改善、疲労の回復・予防などに優れた効果を発揮します。お疲れぎみのパパやママの強い味方になってくれそうなので、ぜひ家庭に常備しておきましょう。
【監修】
濱裕宣先生
管理栄養士。東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 部長。
『その調理、9割の栄養捨ててます!』や、レシピ本『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』など多数の栄養、健康レシピ本にかかわる。