毎食のごはん作りは大変!そこでどうしても頼ってしまうのが、手軽で美味しいレトルト食品。
でも、レトルト食品だけだと、栄養バランスも、この時期に特に気を付けたい免疫力への影響も心配…。
そこで今回は、レトルト食品を上手に活用しながら、子どもや家族の免疫力をサポートする「プラスアルファ」食品の上手なとりかたを管理栄養士の藤橋ひとみさんに解説していただきます。
■レトルト食品ばかりだとどんな影響が?
「レトルト食品ばかりに頼った食生活をしていると、栄養素の過不足を起こしてしまい、健康を損なう可能性があります。利用頻度が高くなるとエネルギーや脂質(飽和脂肪酸)・食塩などの過剰摂取につながるといった問題点もあるため、上手く利用する必要があります。
レトルト食品の多くは、ビタミン、ミネラルといった微量栄養素に関する栄養表示がされていないケースが多いため、摂取できる量が不明であることも問題。
また、製造過程で原材料の食品がもともと含んでいた、免疫力にも関わる重要なビタミン、ミネラルなどの『微量栄養素』が損失したり、時間の経過とともに変質したり壊れたりしてしまうために、摂取効率が下がってしまう場合も」
■免疫力を守るためにレトルト食品にプラスするといい食品は?
藤橋さんによれば、免疫力サポートのためには、レトルト食品にプラスして不足しがちな栄養素を取り入れることが必要だといいます。
「レトルト食品に、免疫の関わる主な栄養素であるタンパク質、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンD、亜鉛に加えて、腸内環境を整えるための食品をプラスすることで、免疫力のサポートが期待できます」
1.タンパク質
・ヨーグルト
(特に通常のヨーグルトよりもおよそ2倍にも及ぶたんぱく質を含むオイコスやギリシャヨーグルトがおすすめ)
・飲むヨーグルト
・豆乳
・牛乳
・チーズ(※ただし食べ過ぎによる塩分の摂りすぎに注意。)
・プロテインドリンク
オイコスやギリシャヨーグルトはたんぱく質豊富でおすすめ。
濃厚なギリシャヨーグルト系はタンパク質がたっぷり。いろいろな味が次々と発売されているので、子ども達も飽きない?!
ギリシャヨーグルト パルテノ
レトルト食は糖分過多になりやすいので、無糖のものがおすすめ
2.ビタミンA
・にんじんなどの緑黄色野菜ジュース
・ケールなど緑の濃い野菜ジュース
・枝豆 ・ゆで卵 ・ドライあんず
3.ビタミンB6
・ナッツ類(ピスタチオ、ひまわりの種が特に多い)
・バナナ
・サラダチキン(鶏肉の中でも胸肉には脂質が少なく良質なタンパク質が多く含まれるため)
・ドライトマト
4.ビタミンD
・魚介類やきのこ類
・牛乳、チーズ
5.亜鉛
・ナッツ類(かぼちゃの種、アーモンド、くるみ、落花生など)
6.腸内環境を整えるための食品
●プロバイオティクス
腸内で善玉菌として働く菌を含む食品 ヨーグルト、乳酸菌飲料、甘酒、チーズなど
●プレバイオティクス
腸内の善玉菌のエサとなる食物繊維、オリゴ糖を含む食品
<食物繊維を含む食品>
果物全般(特にバナナはオリゴ糖の含有量も多くおすすめ)、寒天ゼリー、全粒粉のビスケットやクッキー、シリアル、こんにゃくゼリー、おからクッキー、ドライフルーツ、ナッツ、焼き芋、干し芋
<大豆オリゴ糖を含む食品> 豆乳
7.ユーグレナ
ユーグレナは藻の一種で、青汁やケールのようにパウダーやドリンクとして市販されています。
肉・魚・野菜などが含む栄養素を全方位的に持つ藻であることがわかっており、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・DHA・食物繊維など、人間に必要な59種の豊富な栄養素を含みます。レトルト食品にプラスするだけで手軽に栄養バランスがとれるのでおすすめです。
ユーグレナに含まれる『パラミロン』という水溶性の食物繊維は、腸管粘膜に直接作用し、免疫力の向上に寄与する可能性も示唆されています。
【左】からだにユーグレナ Green Powder/
【右】からだにユーグレナ Green Smoothie
パウダータイプや、手軽にすぐ飲める、フルーツミックス味が味しいグリーンスムージータイプもある。
「ユーグレナのパウダーを水や豆乳、牛乳に溶いたものや、ユーグレナのドリンクをレトルト食品にプラスするのでもOKです。また、ユーグレナのパウダーをレトルトの焼きそばなどに『青のり』のように振りかけても美味しく摂れるのでぜひお試しを」
子どもや家族の健康を守り、免疫力を整えるために重要となる食生活。
レトルト食品は上手に活用しつつ、栄養をプラスしてこの時期を元気に乗り切りましょう!
【監修者】管理栄養士 藤橋ひとみさん I’s Food & Health LABO.代表。フリーランス管理栄養士として、商品開発やレシピ開発、コラム執筆やメディア出演、コンサルティング等、幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得を目指し、栄養疫学の研究に取り組んでいる。大のお豆腐好きが高じて、豆腐マイスターの認定座学講師として、国内外で日本の豆腐の魅力を伝える活動をしているなかで、その原料である大豆自体への興味が深まり、大豆関連の資格の制覇を目指し、学びを深めている。近年は特に、豆腐を作る際に同時にできる「おから」に注目し、日本人に必要な食物繊維の宝庫でもある「おから」を、有効活用できる方法を広げる活動に注力。5月中旬に「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ(ベストセラーズ)」が発売予定。
所有資格は管理栄養士、調理師、製菓衛生師、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、豆乳マイスタープロ、おから味噌インストラクター、ソイオイルマイスター、おから再活プロデューサー、インナービューティープランナー、ほか
ホームページ:https://is-food-health-labo.com/