はじめに
フィンランドは森と湖の国と言われている程だけあり、全国あちこちに沢山の湖、森があります。森と言っても険しすぎて人が入れないという森ばかりではなく比較的、手入れをされている森が多いのでスラッとした白樺や松、杉の木が多く、気軽に入っていけるのが魅力です。民家やコテージも森の近くや森の中にあったりしますので人々と森は非常に密着しています。 フィンランドの森の特徴は地面がフカフカしていますので、とても気持ちがよく歩きやすいです。夏や秋はベリーやキノコも撮れますので森は食の宝庫!今回は7月から実りだすブルーベリーについてお話しをしたいと思います。
■ 取り放題のブルーベリー
我家のあるラーヌヤルビはフィンランド北部に位置しています。フィンランドの北部の事をラップランド地方と言い、夏は太陽が沈まない白夜という時期になります。春の終わり頃から日が伸び夜も明るいのでブルーベリーは太陽の光を浴び、美味しく実るのが7月中旬頃です。ブルーベリーの時期が到来すると長靴を履きバケツを持って森へ出かける人をよく見かけます。中にはお昼ごはんも持参し、半日-1日かけて大量のブルーベリー摘みをする人たちもいます。ブルーベリーを撮るには特別な許可は要りませんので、どの森でも気楽に収穫できます。
■ 便利な道具
森へ行くと、とにかく蚊が多いのです。特にラップランド地方は蚊が大きく、本当に沢山います。せっかくのブルーベリー摘みも蚊に悩まされながら集中できないのは残念ですよね。そんな時に便利なのが蚊避けネット付きの帽子です。それでも蚊から逃れたいという方はフィンランドの強力な蚊避けスプレーをする事がお勧めです。 日本で見かけるブルーベリーは粒が大きく、中が白く、背丈も高いのが周流のようですね。フィンランドの野生のブルーベリーは背丈が15-20㎝と低めで粒も小さく、皮も中身も紫。味が凝縮されています。背丈が低いので、しゃがんでベリー摘みをします。手摘みは綺麗に摘めますが、短時間で沢山収穫したい!という方にお勧めなのがベリー摘みピッカーです。取ってを持ち、ベリーを掬うように採ると葉が取れ、ベリーのみピッカーの中に落ちるという仕組みになっています。葉や若い、もしくは熟しすぎのベリーも入ってしまいますので後に取り除き掃除が必要ですが、便利な道具ですので愛用者は沢山います。この道具は古くからフィンランドにあるものですが、昔は木製で布の袋の中にベリーが落ちる仕組みでした。時代と共に、メタル式のものも開発され、現在は軽量化されたプラスチック製が主流です。フィンランドのスーパーやホームセンターでお手頃価格で購入できるのも人気の1つではないでしょうか。
■ ブルーベリーの食べ方
新鮮なベリーをふんだんにアイスクリームやヨーグルトにトッピングしたり、焼きタルト、ブルーベリーのスープ、ジャム、オートミールのお粥の上にのせて食べたり等します。日照時間が短く、旬の国産素材が極力少なくなる冬の間のビタミン補給食材として夏に大量収穫をし冷凍する事もフィンランドの夏の習慣です。
簡単に作れ、素材の味が楽しめるレシピをご紹介しますので、是非お試し下さい。
【生地材料】
- 型 21cm×31cm
- 小麦粉 4dl
- オートミール 1dl
- 砂糖 1/2dl
- シナモンパウダー 小1
- バター 150g
- 卵 1
- 冷水 大1
【フィリング材料】
- ブルーベリー 6-7dl
- 砂糖 大3-5
- バニラシュガー 小1
- コーンスターチ(片栗粉でも可) 大1/2
【生地手順】
- ①粉類・オートミール・細かく切った冷たいバターを入れボールに入れ手で潰し合わすようにし、ポロポロするまで素早く混ぜます。
- ②溶き卵を入れ更に素早く生地に混ぜ、水で調節しながらひとまとめにします。※練り過ぎ注意!
- ③焼けた時、お皿に生地が付かないように耐熱皿にバターを薄く塗り粉を少しふりかけます。
- ※手で広げて淵まできっちり伸ばします。生地は極力薄めに。
- ④生地を冷蔵庫で少し寝かせます。
- ⑤生地を冷蔵庫から出し、型崩れ防止のためアルミホイルを生地全体が隠れるように上にのせる。
- ⑥170度に温めたオーブンで焼き目が付く前まで焼き、その後は生地を出しオーブンを225度に温めておく。
- ①フィリングはボールに全ての材料を入れサッと混ぜます。
- ※ベリーの目安は生地の一面に敷き詰められる量です。
- ②生地の上にベリーをのせ225度に温めたオーブンで約30分焼きます。生地も焼けてベリーが少しシワっとした位で取り出し可能。
- ※冷凍ベリーの場合は解凍せずコーンスターチを少しだけ多めに、長めに焼いて下さい。
- ※甘さが足りない場合は食べる時に砂糖をかけて下さいね。
【フィリング手順】
■ おわりに
大人も子供も大好きなフィンランドのブルーベリー。夏のフィンランドへ訪問する機会がある方は是非、森でブルーベリー摘みを楽しんで下さい。