――お子さんが生まれたことで、ご自身のファッションやライフスタイルなどに変化はありましたか?
変わりましたね。公園に行ったり、運動会に参加したり、そもそも汚れてしまうシチュエーションが多いですからね。小さい頃は抱っこしているときにおもらししちゃったりとか、もう大変。だから、とにかく普段着る服は洗いがっての良いものを選ぶようになりました。
子どもがいるときは、もう本当にカジュアルに汚れてもいいものを着るんですけど、自分らしさが出るものっていうのは意識してます。古着が好きで、今日はシャツもスカートもヴィンテージのものなんですけど、裾を折り曲げて、足首や手首を出してバランスをとってみたり。これにシャネルのバッグとかをポイントで足してみたりしても可愛いですよね。
それと、靴。それまではヒール以外考えられなかったんですけどね、やっぱりいつもヒールというのは難しいですからね。
けど、それをポジティブにとらえて、じゃあローヒールのどういう格好がかわいいかっていうのを考えるようになって、結果としてファッションの世界観が広がったような気がします。
――制限されたのではなく、広がったというのは素敵ですね。ほかにママになって変わったことはありますか?
いろんなことがちゃんとしました(笑)。
若いときは食べものなんか特にこだわりなんてなかったし、遊んで次の日そのまま仕事に行くなんていうこともありましたからね。それはそれで、そのときしか出来ないことだから、いい経験ではあるんですけど、今はそうはいきません。小っちゃい子に、なんだかよくわからないものを食べさせるわけにはいかないので、食材一つにしてもこだわるようになりました。もともとそういうのは嫌いじゃなかったんですけど、さらに深く調べるようになりましたね。最初は特にストイックになりました。まあだんだん緩くなってくるものなんですけどね。
着るものの素材もいろいろ調べて、赤ちゃんにはこういう素材を着せたらいいんだとか、寝るときにはシルクやリネンがいいんだとか。それまで知らなかったんですけど。いろいろ調べると、「へー、深く眠れるんだ」とか、知識もついて、物の選び方が変わってきました。
幼稚園があって、お弁当を作ったりもするし、朝も起きるのが早くなりましたね。夜も昔に比べたら早く寝るようになったし。ママになると、いろいろがちゃんとしていきますね。
――ママになると、女として制限されるというか、時間一つにしても拘束されたり、自由度が減るイメージがあったのですが、女としてもより充実しているという印象ですね。
もちろん、旅行にあんまり行けなくなるとか、「あー、友だちとのあの約束、いけなかったなー」とかもあるんですけど、だからこそ、せっかく会うんだったら、大好きな人とだけ会おうって思うようになりました。
それまでは、顔だけでも出しといたほうがいいかなって、つきあいで飲みに行ったりすることもあったのですが、そういうのが一切なくなりましたね。
自分のなかで何が大事かっていうことがはっきりして、人も物も、仕事も、すべてが厳選されたという感覚はありますね。結果、自分も楽になりました。
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photo/Masato Moriyama hair&make/Koichi Yamaguchi(SLANGinc.) text/Shizuka Horikawa styling/MEGUMI(全て私物)