明るい雰囲気の店内に入ってすぐ、正面の大きなショーケースには、定番のいちごショートケーキをはじめ、モンブランやシュークリーム、プリン、チョコレートのムースやティラミスなど、幅広いテイストのお菓子が約30種類。オレンジやグレープフルーツのゼリーなど、フルーツをたっぷりと使用したスイーツも多く、季節感が豊かです。
「高校を卒業してから神戸で暮らし始めて25年。暮らしやすく人の温かみを感じられるこの街で、お客様と触れ合えるお店ができれば……と思ったんです」と話すのは、オーナーシェフの新森里志さん。
新森シェフは、神戸の「ユーハイム」で13年、フランス・パリの「ペルティエ」で2年間で修業した後、関西初出店の「ジェラール・ミュロ」ショップのシェフパティシエを務めた後、独立。2011年10月、暮らし慣れた街・神戸にお店を構えました。
洋菓子激戦区の阪神間でも、とりわけファミリー層を意識した新森シェフのお菓子のこだわりは、安心・安全な素材。「以前に勤務していた店の上司に会うたびに『ええもん作ってるか?』と言われていました。その言葉を胸に、今もお菓子作りには励んでいます」。
「ええもん」には、「おいしいお菓子」であることはもちろん、「良い素材・安心な素材」という意味も含まれている、と新森シェフ。北海道産の生クリームや淡路島の牛乳など厳選した材料を使用しつつ、添加物やベーキングパウダーの使用は極力控えるなど、素材にも気を配ってお菓子作りを行っています。
そんなシェフの今シーズンのスペシャリテは、抹茶のスポンジ生地とマスカルポーネチーズのムースを重ね、笹に包んでデコレートした「笹」。
抹茶シロップをしっかり染み込ませたスポンジ生地とムースに加え、アクセントに忍ばせた大納言小豆と、トッピングにあしらった抹茶パウダーのほろ苦さが、おいしさを引き立てています。何より、笹の葉のさわやかな香りが初夏の空気にぴったり!
イタリア菓子のティラミスを、シェフが好きな和のテイストに仕立てた逸品です。
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