フランス国内で有名な調理師高等学校“フェランディ”や、パリでも有名な肉屋さん“バジョン”なども軒を並べるアベ・グレゴワール通りに、今夏“コロロヴァ”がオープンしました。オーナーは、パティシエのギョーム・ジルさんと、サーヴィスのシャルロット・シレスさんの若いカップル。110平米もの広くて明るいスペースに、たった24席のみを設けたゆったりとした店作り。サロンからキッチンの中まで見えるオープンで贅沢な空間と、素材感のあるインテリアは、パリというよりも、北欧のカフェを思わせます。
ギョーム・ジルさんは、2003年から1年間“プラザ・アテネ”で見習いとして入り、そこで多くの人間関係を築いています。例えば、日本の中目黒のパティスリー カカオエット・パリのジェローム・ケネルさんや、パリ“デ・ガトー・エ・デュ・パン”のクレール・ダモンさん、カンヌ“アンチュイション”のジェローム・ドゥ・オリヴェイラさんなど。
2年前日本に訪れたのは、カカオエットを尋ねるのが目的だったと言います。世界中を旅行するのが好き、そして人好きのする2人だからこそ、出来上がったオープンなスペースなのでしょう。因みに、2人はプルセル兄弟によるパリのレストラン“メゾン・ブランシュ”で知り合ってから、5年来、2人で店を作ろうとアイディアを膨らませていたということ。
店には、チュニジアで出合った絨毯で背もたれを作った椅子や、タイのアーティストによる鏡、スウェーデンの照明など、世界中を旅して出会った、またはパリを歩いて探した思い入れのあるインテリアが散りばめられています。2人が声を揃えて言うには、「自分の家にお客さまをお招きするような、そんな空間作りを心がけています。」
ギョームさんは、インテリアデザインにも興味があって、ケーキとパンのショーケースも自分でデザインしてオーダーメイドしたとのこと。オーク材を重ねるように取り付けたデザインは、手作りの温かみとスタイリッシュさがバランスよく融合しています。
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