シャンゼリゼ大通りからアンバリッドへと伸びる勇壮なウィンストン・チャーチル大通りの左右に、グラン・パレとプチ・パレという、1900年の万国博覧会のために建造されたモニュメントがあります。屋根は当時の技術を駆使して作った鉄骨のガラス屋根。太陽がいっぱいに差し込む吹き抜けの中央のスペースでは、ファッションショーやアート展などが催されています。
レストラン“ミニ・パレ”の売りは、そんな様子をガラス窓から垣間見ることのできる場所にあること。そしてもう1つの売りは、大通りに面した高さ4メートルもある回廊がテラスになっていることでしょう。よく晴れた日や夏に、このテラスで食事をするのは、なんともいえずシックで開放感溢れると、パリジャンたちの人気のスポットになっています。
しかも、レストランのメニューを監修するのは、3ツ星レストランを内包するホテル“ル・ブリストル”の総料理長エリック・フレションですから、味も申し分ありません。
すばらしく晴れた夏の午後に、その景観の素晴らしい回廊のテラスでアイスクリームを提供したらどうだろう?……そんなフレションのアイディアが今年の夏、結実しました。5月1日から9月30日までの期間限定で、“バー・ア・グラス(アイスクリームバー)”と称し、“ミニ・パレ”オリジナルのアイスクリームを提供することにしたのです。常に14種類のフレーバーを用意しており、いずれも素材にこだわった、甘味の少ない、さすが高級感ある味わいのものばかりです。
例えば、厳選したアラビカ産の香り高いカフェ味。ヴァローナ社のチョコレートを使用した濃厚な味わいのブラックチョコレートアイスクリーム。マダガスカル産バニラビーンズをたっぷりと入れた、高級感あるバニラ味。また、ローズマリーのハチミツ、ヨーグルト、抹茶など、多くの素材にオーガニックのものを使用しているのも、クオリティと味わいの高い素材にこだわっている特徴の一つでしょう。
フレッシュなフルーツやハーブをそのまま閉じ込めた、レモン&バジリコ、バーベナなども、ダイレクトな新鮮な味わいを楽しむことができます。夏の果実メロンも、しっとりと舌になじむような滑らかなテクスチュアで、ふくよかな香りが立つようでしたし、イチゴも甘みの高い果実味をそのまま感じることのできる、フレッシュな味わいでした。
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