アメリカのスイーツというと皆さんは何を思い浮かべますか?山のように盛られたアイスクリームやバケツみたいに大きな容器のポップコーン、チョコチップクッキーやブラウニーなどなど……。いずれにしても、「甘くて」「大味で」「すごいボリューム!」と思っている方も多いと思います。
確かに、びっくりするくらい甘いものや大きなものもありますが、実は板チョコに関しては、日本ともヨーロッパとも違う方向に発展していると感じます。時には奇抜なアイデアに驚き、またその一方では他にはないコンセプトに感心する……。
今回は、様々な表情を持つアメリカの板チョコについてご紹介します。
アメリカでのチョコレート製造が盛んになったのは1900年頃から。1894年にミルトン・ハーシーがチョコレート工場を設立、HERSHEY’Sの誕生です。スペインやフランスなどヨーロッパ諸国に比べると、アメリカは後発組と言えますが、今では世界一のチョコレート菓子生産国になりました。
HERSHEY’SやSee’s CANDIESなどは日本でも有名ですね。もちろん、お馴染みのキスチョコもスーパーに並んでいますが、最近充実してきているのは「グルメチョコレート」と呼べるような、こだわりのある板チョコレートの数々。大手メーカーの商品とは別に、個性的なチョコレート作りをする小さなメーカーや、スーパーマーケットのPB商品なども増えてきています。
アメリカでは板チョコのことを“Chocolate Bar”と呼び、日本と同じくビター、ミルク、ホワイトの3種類が定番。“ピーナッツ入りのミルクチョコ”など、いかにもアメリカらしい組合せもありますが、スーパーの棚を良く見てみると意外にも「ビターチョコレート」が多いことに気づきます。それも、カカオ分が70%後半や80%台など、いわゆる高カカオタイプが目につきます。これはちょっと意外な発見でした。普段は甘〜いデザートを食べているアメリカの人々も、チョコレートに関しては意外とビター好み?
それとの関係は定かではないですが、チョコレート屋さんのWebサイトを見ると、「ワインとのペアリング (Pairing) 」をおすすめしている光景も良く見かけます。お酒の専門店やスーパーのワイン売り場にもチョコレートが並んでいることが多く、お酒と一緒にチョコレートを楽しむシーンが想像できます。
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