フィンランドの冬は「寒い・暗い・長い」とイメージをされる方が多いかと思います。
サンタクロースの住んでいる街で有名なロバニエミから西北に位置したラーヌヤルビの村では初雪が10月頃に舞い降り、本格的な雪は11月頃から降ります。雪が完全に溶けるのは4-5月までです。真冬と言われる12~2月は気温がマイナス35度程まで下がります。朝の10時頃に日が昇り午後2時過ぎには日が沈んでしまう時期もあります。太陽が出ると言うよりも辺りが明るくなるといった感じで、キラキラした太陽が顔を出すのは2月頃になります。そう聞くとマイナスなイメージを持たれるかもしれませんが、ここで生活している人達は、それ程は苦とは思わないのです。今回は、そんな生活の秘密を少しお話します。
■ 昼間、明るいうちは外へ出て新鮮な空気を吸う
子供の年齢にもよりますが、-15度ほどでしたら散歩をしたり短時間の外遊びが可能です。フィンランドでは真冬の防寒具もしっかりとしていますので寒さからも十分に守られます。
暗いと気分がめいってしまったりエネルギーがあり余ってしまう事もあるので、辺りが明るくなったら短時間でも外へ出て新鮮な空気を吸います。外の光に体を当てるだけでも体にも心にも凄く効果があります。
■ 白い雪は光、遊び道具
雪=やっかいもの。こんなイメージはなく、暗い冬に雪が舞い降りると雪の白さで辺りが反射され明るくなります。ですのでフィンランドでは雪は喜ばれる存在でもあります。得にラップランドの雪は、湿り気も少なく扱いやすい雪です。空気も乾燥していますので、数字を見たり聞いたりする程、体感温度は寒く感じません。0度の日雪、マイナス10度の日の雪、マイナス20度の日の雪など温度によって雪の音が違うのも冬の日の楽しい発見です。子供達にとっては雪は遊び道具の1つですので雪のケーキや雪だるまを作ったり、かまくらや滑り台など造って伸び伸び楽しみます。
■ ソリが大活躍
フィンランドでは子供のいる家庭には大抵、ソリがあります。一言に「ソリ」と言っても様々なタイプがあります。お座りが出来るようになった赤ちゃん用には椅子のように座れるソリ。滑り落ち防止用にベルトが付いているので安心です。
他にも移動用の滑りにくいソリや、逆に坂道を勢いよく滑られる仕様になっているソリもあります。ソリ=子供用の遊び道具ではなく、年配の方が買い物に行く時もソリは大活躍です。重たい買い物袋をソリに置いて雪道を引っぱって歩くと手の負担も全然違います。
謝肉祭(イースターの40日前の行事)の頃になると太陽も顔を出し、春に向けて日中の時間も長くなってきます。そんな時はフィンランド全国地域で「外で楽しく遊ぼう!」と、ソリ滑りをする習慣があります。プラスチックの平らな小さいソリをお尻の下に敷き坂道を一気に滑ります。
■ おわりに
寒冷地での生活も考えを少し切り替えただけで、自然と共存し上手に季節を楽しむ事が出来ます。