夫は40代後半、私は50代のパート主婦。
小学1年生の息子は軽度ASD(自閉症スペクトラム)で、日々の子育てに全力を注いできました。
そんなある日、昼寝中の夫が開きっぱなしにしていたスマホに目が止まったのです。
見ちゃいけないと思いながらも、そこに映っていたやり取りは、吐き気がするほど過激な浮気の証拠でした。
今までにも夫の怪しい噂はありましたが、なぜ今回は見逃せなかったのか、自分でも分かりません。
感情が爆発――母親失格と責める自分
思わずスマホを投げつけ、賃貸の壁には大きな凹みが。
さらに、息子が楽しみにしていたプラレールのコースまで壊してしまいました。
「子どもには何の罪もないのに…」――自分の行動に震えが止まりません。
それでも、夫そっくりの息子の顔を見ると、どうしようもない憎しみがこみ上げてしまう自分が怖かったのです。
新幹線に飛び乗った理由
怒りと悲しみを抱え、私は最低限の荷物だけリュックに詰め込み、家を飛び出しました。
向かった先は私の地元近く。とはいえ、高齢の母を心配させたくないし、姪っ子が婚約者を連れてくる日でもあるから実家には行けず、ビジネスホテルを予約するしかありませんでした。
パート収入だけの私には痛い出費ですが、とにかくあの家から離れたかったのです。
“逃げ”てもいい――今は自分を守るために
息子を置いてきた罪悪感に押しつぶされそうになりますが、これ以上苦しむなら一度逃げるのも選択肢だと感じました。
「母親なんだから耐え抜かなきゃ」という声は頭をよぎります。
それでも、あの家で壊れていくより、今は自分を守ることを優先したい――そう思うのです。
離婚を決意するか、夫と話し合うかはまだ分かりません。
ただ、少なくとも私は、母親である前にひとりの人間。その心が叫んでいるのだと、新幹線の席で痛感しました。