「モエレ沼」はアイヌ語の「モイレペツ」(静かな水面・ゆったりと流れる)に由来(写真提供:モエレ沼公園)
世界的な彫刻家、イサム・ノグチの基本設計により造成され、2005年にグランドオープンした北海道札幌市の総合公園。かつてのゴミ処理場だった場所が、「人間が傷つけた土地をアートで再生する」というノグチの想いによって、美しいアートパークへと生まれ変わりました。189ヘクタールもの広大な敷地には、幾何学計形態が多用された山や噴水、遊具などが整然と配置され、公園全体がひとつの彫刻作品に。子どもたちは芝生や遊具で楽しく遊び、大人たちは寛ぎながら景色やアートを鑑賞…と家族みんなが心地よい時間を過ごせる場所です。
敷地内には、札幌の景色を一望できる標高62メートルのモエレ山や古代遺跡を思わせるプレイマウンテンなど15の施設が点在。公園のシンボルであるガラスのピラミッド内には関連書籍や映像を集めたイサム・ノグチギャラリーや地元の新鮮食材を使った人気のフレンチレストラン「ランファン・キ・レーヴ」も。4月下旬~10月中旬なら、ダイナミックな水の動きに圧倒される「海の噴水」ショーも必見です。
ガラスのピラミッド(写真提供:モエレ沼公園)
子どもが主役になれるのは、約2600本の桜が植えられた「サクラの森」と呼ばれるエリア一帯。森の中に隠されるように7つの遊具エリアがあり、スウィング(ブランコ)やスライドマウンテン(すべり台)など126基の遊具が勢ぞろい。デザインはどれもイサム・ノグチによるもので、子どもたちの色彩や空間、形に対する感覚を刺激します。また、芝生広場ではピクニックもできるので、一日のんびり過ごすのもおすすめ。春はサクラ、夏は噴水、秋は紅葉、冬は一面の冬景色と、四季折々の表情も素晴らしく、夏にはモエレビーチでの水遊び、冬にはモエレ山でのソリ遊びもファミリーに人気のアクティビティ。その他、テニスコートなどのスポーツ施設やレンタサイクルもあります。
サクラの森(写真提供:モエレ沼公園)
北の大地を彩る美しいフォルムの数々を巡り、イサム・ノグチが目指した大地の彫刻を体感してみては。
■モエレ沼公園
住所:北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1
電話:011-790-1231
時間:7:00~22:00、入園は21:00まで
休園日:無休(ただし各施設にはそれぞれ休館日あり)
料金:無料
HP:http://www.sapporo-park.or.jp/moere/
Text:Emiko Furuya